
1860 年 最初のバッテリー(樽)
■ モデナ産 伝統的バルサミコ酢
エミリア・ロマーニャ州モデナ県でのみ作られるこの製品は、煮詰めたぶどう果汁(モストコット)を木樽に入れて自然発酵させ、その後、樽(”Batteria”)の移し替えを繰り返しながら(年に一度といわれる移し替えのたびに徐々に小さな樽にし、材質もオーク、桜、栗、桑、トネリコ、ネズと様々に替えていくという手の込んだ方法で)長期間熟成させたもので、添加物は一切加えられていませんでした、最低熟成期間は12年と規定されています。
25年以上熟成(デカンティング)したものは「エクストラヴェッキオ」の呼称を付加することが認められています。
中には100年を超えたものもあるといいます。
デカンティングしたものは光沢のある茶色で、シロップのような粘り気がります。若いうちは酸味が強く、デカンティングにつれて甘未を増します。そして、12年もすると酸味と甘未のバランスに、コクが加わり、すばらしい味わいになります。
瓶の形はジョルジェット・ジュジャーロ(Giorgietto Giugiaro)というデザイナーによってデザインされたものが公式なものとして規定されており、DOP製品はこの瓶に詰められていなければなりません。
モデナの人々の知恵と忍耐力が生み出した卓越した食品です。
■ バッテリア (樽)
使用するこ樽の数は5最低とした奇数です。
樽の大きさが異なり大きなものから並べていきます。
樽に特別な開口部(“Cocchiume”)があります。
この開口部は製品をチェックしたり空気を送り込む役目や余分な水分を蒸発させます。
■保管
樽は徹底した温度管理をするため、専用の蔵に保管されています。
■バルサミコ酢
モデナ産とレッジョ・エミーリア産のものだけがDOP認定されており、「TRADIZIONALE」(伝統的)という呼称を使うことができます。
モデナには他に「TRADIZIONALE」のつかないIGP製品もあります「薬効のある」というあじのラテン語の「バルサム」が「バルサミコ」の由来だといわれています。
日本の黒酢に色は似ていますが、バルサミコ酢のほうが香りと甘未がはるかに強く、サラダにオリーブオイルをかける際に数滴入れるだけで風味が増します。
また、肉や魚のソテーに少量塗ったり、カルパッチョ、アイスクリーム、いちご、イチジクなどにかけたりしてもおいしくいただけます。
呼称 |
Condimenti all’Aceto Balsamico バルサミコ酢由来の味料 |
Aceto Balsamico di Modena モデナ産バルサミコ酢 |
Aceto Balsamico Tradizionale di Modena モデナ産伝統的バルサミコ酢 |
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認定 | ― | IGP | DOP |
生産地域 | イタリアなど | モデナ産 レッジョ・エミーリア産 |
モデナ産 |
基本成分 |
ワイン |
ワインヴィネガー 濃縮モスト ぶどう果汁 |
ぶどう果汁 |
ぶどう栽培地位 | 不特定 | エミリア・ロマーニャ州 | モデナ県 |
保存料、酸化防止剤使用 | 可 | 不可 | 不可 |
色素使用 | 可 | カラメルのみ可 | 不可 |
最低熟成期 | ― | 60日 | 12年 |
1860 年 最初のバッテリー(樽)
1900 年のバッテリー(樽)
コッキューメという布で 覆われる開け口
1968年モデナとレッジョのバルサミコの競争で 1 位に
貴重な土地の木材を使って作られる
樽のチェーンの嗅覚テ スト